2007年 02月 10日
『ユメ十夜』 |
監督:実相寺昭雄 、市川崑 、清水崇 、清水厚 、豊島圭介 、松尾スズキ 、天野喜孝 、河原真明 、山下敦弘 、西川美和 、山口雄大、原作:夏目漱石
「こんな夢を見た」という一文から始まる、漱石による徒然なる夢語りの映像化。漱石自身が登場しながらも何処かうつつと違う十のエピソードが、ベテランから気鋭まで日本映画界を担う11人の監督によって、奇想天外な絵物語として甦る。まさに漱石が書簡でしたためた「余は吾文を以て百代の後に伝えんと欲する野心家なり」を地でいく100年後の回答。
過去に作品を観たことがあり、作風を知る監督のパートから類推するに各人にとって自らのシグネチャーとなるスタイルを競い合うオムニバスなのだろう。それ故、全体の統一感は希薄で、特に若手は良くも悪くも自己顕示的な作品となっている。印象でいえば、実相寺、市川らベテラン勢に迫る安定感で、自分自身の世界を紡ぎだす清水崇、勢いをそのまま画面にぶつけたかのような力強さをみせる山口雄大、自分の興味あるところを明確に捉えている西川美和辺りが一歩抜け出しており、逆に衒いや手練手管が透けてみえる松尾スズキ、天野喜孝&川原真明は損をしている。
「こんな夢を見た」という一文から始まる、漱石による徒然なる夢語りの映像化。漱石自身が登場しながらも何処かうつつと違う十のエピソードが、ベテランから気鋭まで日本映画界を担う11人の監督によって、奇想天外な絵物語として甦る。まさに漱石が書簡でしたためた「余は吾文を以て百代の後に伝えんと欲する野心家なり」を地でいく100年後の回答。
過去に作品を観たことがあり、作風を知る監督のパートから類推するに各人にとって自らのシグネチャーとなるスタイルを競い合うオムニバスなのだろう。それ故、全体の統一感は希薄で、特に若手は良くも悪くも自己顕示的な作品となっている。印象でいえば、実相寺、市川らベテラン勢に迫る安定感で、自分自身の世界を紡ぎだす清水崇、勢いをそのまま画面にぶつけたかのような力強さをみせる山口雄大、自分の興味あるところを明確に捉えている西川美和辺りが一歩抜け出しており、逆に衒いや手練手管が透けてみえる松尾スズキ、天野喜孝&川原真明は損をしている。
by scarpiaii
| 2007-02-10 21:36
| 映画館