2007年 01月 30日
『オーロラ』 |
監督:ニルス・タヴェルニエ
国王の命で踊りを禁ずる小国の王宮で、王女は密かに踊り続け母譲りの才能を開花させていた。華やかさを失った国家は折りしも困窮に喘いでおり、国王は打開策として廷臣の忠言を聞き入れ、持参金目当てに娘の婿探しの舞踏会を十数年振りに開く。しかし、王女の心を捉えたのは遠い異国からやって来る金持ちの王子達ではなく、彼らへの紹介のための肖像画を描くために呼ばれた画家であった。
臆面も無くお伽噺をフィルムに焼き付ける姿勢は、さすがフランス映画。同じ映画館で観たからか、ジャック・ドゥミのミュージカルを思わせる多幸感に溢れた作品である。本作の手段はバレエであるが、その作法はまさにミュージカルにおける歌や踊りの扱い同様、ストーリーに深く関わり、エモーションの臨界点を越えた瞬間、表現の自由を獲得する。踊り自体は非常にシンプルで、キャラクターのエモーションを忠実になぞっているためバレエを鑑賞したことがない観客にも判りやすいし、現代の映画としてはゆったりとしたテンポだがヨーロッパ映画に慣れていれば、それも気にならない。
国王の命で踊りを禁ずる小国の王宮で、王女は密かに踊り続け母譲りの才能を開花させていた。華やかさを失った国家は折りしも困窮に喘いでおり、国王は打開策として廷臣の忠言を聞き入れ、持参金目当てに娘の婿探しの舞踏会を十数年振りに開く。しかし、王女の心を捉えたのは遠い異国からやって来る金持ちの王子達ではなく、彼らへの紹介のための肖像画を描くために呼ばれた画家であった。
臆面も無くお伽噺をフィルムに焼き付ける姿勢は、さすがフランス映画。同じ映画館で観たからか、ジャック・ドゥミのミュージカルを思わせる多幸感に溢れた作品である。本作の手段はバレエであるが、その作法はまさにミュージカルにおける歌や踊りの扱い同様、ストーリーに深く関わり、エモーションの臨界点を越えた瞬間、表現の自由を獲得する。踊り自体は非常にシンプルで、キャラクターのエモーションを忠実になぞっているためバレエを鑑賞したことがない観客にも判りやすいし、現代の映画としてはゆったりとしたテンポだがヨーロッパ映画に慣れていれば、それも気にならない。
by scarpiaii
| 2007-01-30 23:07
| 映画館