2005年 01月 26日
死神が微笑むのは?〜『マイ・ボディガード』 |
メジャー作品ではあり得ないような奔放な脚本を、職人監督の手腕によってハイクォリティな作品に仕上げる。『リベンジ』や『トゥルー・ロマンス』がそうだったように、トニー・スコットはここでもそんな安定感のある仕事ぶりを遺憾なく発揮してみせる。
『燃える男』を原作としていながら、ダコタ・ファニングというキャストを得たせいか、異様なまでに肥大した前半の存在が、ハリウッドメジャーらしからぬ構成の歪さをもたらしている。そして作品の魅力ともなっている。まるで2本立てを見ているかのような後半とのカラーの違いを、空中分解させずに見せるのは、監督トニー・スコットと主演のデンゼル・ワシントンに負うところが大きいだろう。
主役2人以外、『ピッチブラック』以来どうにも運に見放されている(役ばかり演じている)ラダ・ミッチェルや、マーク・アンソニーら脇を固めるキャストもいい。ミッキー・ロークとクリストファー・ウォーケンは、それぞれの貫禄を見せて申し分ない。
原作とは異なるキャラクターが死に魅入られるエンディングの改変は、物語の説得力にまで影響を及ぼしてはいるが、充分に劇的で鮮やか。『トゥルー・ロマンス』(タランティーノのオリジナル脚本とは異なるハッピーエンド)と『リベンジ』の中間を行くハリウッド流スイートビターエンディングと言える。このバランス感覚を御賞味あれ。
『燃える男』を原作としていながら、ダコタ・ファニングというキャストを得たせいか、異様なまでに肥大した前半の存在が、ハリウッドメジャーらしからぬ構成の歪さをもたらしている。そして作品の魅力ともなっている。まるで2本立てを見ているかのような後半とのカラーの違いを、空中分解させずに見せるのは、監督トニー・スコットと主演のデンゼル・ワシントンに負うところが大きいだろう。
主役2人以外、『ピッチブラック』以来どうにも運に見放されている(役ばかり演じている)ラダ・ミッチェルや、マーク・アンソニーら脇を固めるキャストもいい。ミッキー・ロークとクリストファー・ウォーケンは、それぞれの貫禄を見せて申し分ない。
原作とは異なるキャラクターが死に魅入られるエンディングの改変は、物語の説得力にまで影響を及ぼしてはいるが、充分に劇的で鮮やか。『トゥルー・ロマンス』(タランティーノのオリジナル脚本とは異なるハッピーエンド)と『リベンジ』の中間を行くハリウッド流スイートビターエンディングと言える。このバランス感覚を御賞味あれ。
by scarpiaii
| 2005-01-26 23:15
| 映画館