2007年 04月 11日
『悪魔の沼』 |
監督・共同脚本・音楽:トビー・フーパー
客の要求に応えられず娼館を追い出されたクララは、離れる道すがらテキサスの池のほとりにぽつんと建つホテルに宿を請う。出迎えた主人によると、その池には鰐が住んでおり、生きたまま人を食らうという。始めは快く彼女を迎え入れた主人ジャッドだったが、彼女が娼婦だと知るや態度を一変させ、挙句彼女を殺してしまう。哀れ鰐の餌となる少女。その後も、ホテルを訪れる客たちを次々と毒牙にかけ、鰐に供するジャッドだったが、今日はいつになく大繁盛。終いにはクララを探しにきた父娘も現れて…
トビー・フーパーの2作目にして、ハリウッド進出第1弾は、コメディ作品である。そこにはテキサスの常軌を逸した論理も、人里離れた田舎の怪しげな不安も、鰐に食われる残虐性も存在しない。あるのは次々と現れる間抜け面したホテルの客たち。彼ら自身こそ、自分たちがそこを訪れる真っ当な目的や、深刻な人生を信じているけれども、我々観客の目にはただの鰐のエサとしか映らない。
トビー・フーパーは、『悪魔のいけにえ』に続き、ロコの猟奇事件を新たな視点から語り直すことに成功しているが、作品完成時点では、『悪魔のいけにえ』のあまりの影響ゆえ、その真意は理解されなかったようだ。まぁ、いつの時代もコメディへの理解は低いと言えるが。
客の要求に応えられず娼館を追い出されたクララは、離れる道すがらテキサスの池のほとりにぽつんと建つホテルに宿を請う。出迎えた主人によると、その池には鰐が住んでおり、生きたまま人を食らうという。始めは快く彼女を迎え入れた主人ジャッドだったが、彼女が娼婦だと知るや態度を一変させ、挙句彼女を殺してしまう。哀れ鰐の餌となる少女。その後も、ホテルを訪れる客たちを次々と毒牙にかけ、鰐に供するジャッドだったが、今日はいつになく大繁盛。終いにはクララを探しにきた父娘も現れて…
トビー・フーパーの2作目にして、ハリウッド進出第1弾は、コメディ作品である。そこにはテキサスの常軌を逸した論理も、人里離れた田舎の怪しげな不安も、鰐に食われる残虐性も存在しない。あるのは次々と現れる間抜け面したホテルの客たち。彼ら自身こそ、自分たちがそこを訪れる真っ当な目的や、深刻な人生を信じているけれども、我々観客の目にはただの鰐のエサとしか映らない。
トビー・フーパーは、『悪魔のいけにえ』に続き、ロコの猟奇事件を新たな視点から語り直すことに成功しているが、作品完成時点では、『悪魔のいけにえ』のあまりの影響ゆえ、その真意は理解されなかったようだ。まぁ、いつの時代もコメディへの理解は低いと言えるが。
by scarpiaii
| 2007-04-11 23:52
| 映画館