2011年 12月 31日
【映画】音楽愛好家的2011年映画ベスト |
今年、映画館で観た本数は127本(併映の短編含む)。旧作だけど初見のものもあったり、新作だけど映画館では観られない(or見逃した)作品もあったりで、カウントが難しくなってます。なんやかやで200本弱の映画を観て、150本くらいが初めて観る作品という計算。
そう言えば、去年のエントリーで取り上げた故ケン・ラッセルの『ボーイフレンド』はWarner Archiveでめでたく円盤化されました。TSUTAYAがWarner Archiveのローカライズを始めたので日本語字幕付きも注文できるよ。こうゆうサービスは利用者がいないとすぐ見切られちゃうのでみんなガンガン注文しましょう。ぼくはとりあえずラッセル・マルケイ監督『レイザーバック』をオーダーしました。
さて本題。今年は昨秋に続き企画された石井隆監督特集第2弾で監督作品をほぼ網羅。一方、新作邦画は、特に後半、あんまり観なかったのでベストには入ってません。って去年も無かったか。いえね、今年は友人の関わった映画が3本もあって(『冷たい熱帯魚』『劇場版 名探偵コナン 沈黙の15分』『アベックパンチ』)、贔屓目なしに好き嫌いがつけ辛いというのもあります。
洋画も『シカゴ』から10年続いたブロードウェイ・ミュージカルの映画化が昨年の『NINE/ナイン』で一段落(奇しくもともにロブ・マーシャル作品)し、新作ミュージカルに出会えなかったのは残念。
『フットルース』のリメイク作『フットルース 夢に向かって』はどうやらミュージカルじゃなさそうですし(日本ではDVDスルーだし)、アメリカでは暮れに『The Muppets』が公開されましたけれども、これまでのシリーズの経緯から日本公開は望み薄だし、来年、『Rock Of Ages』と『Les Miserables』がくるまで暫しお休みといったところ。
というわけで、多分に偏りもありますが、2011年印象に残った作品たち。
『くまのプーさん』
文句なしのベスト。たまたま観た友人の勧めで観にいったら、これがもう素晴らしくて素晴らしくて。オープニング&エンディングの実写パートもいいし、歌もいい。そして子供向けだからと手を抜かない作品世界の構築に驚嘆する1時間。短いところもいいよね。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』
『キックアス』に続きジェーン・ゴールドマン&マシュー・ヴォーンのいい仕事。歴史改変ものというのがまたコミックらしくてよい。主題歌は『スターダスト』に続いてまたもやTake That。
『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』
凡百のハリウッド製『三銃士』にはないブルボン王朝への敬意がある、ひさびさのまともな『三銃士』。ぽっちゃりとした従者プランシェの活躍、飛行船のスペクタクルなど、ポール・W・S・アンダーソンはおそらく、リチャード・レスター版を底本にしているはず。
『ミスター・ノーバディ』
パラレルワールドというSF的なアイディアを映像化した力作。同趣向では『ミッション:8ミニッツ』もよかったけれど、風呂敷の広げ方も、幕の引き方も本作には及ばない。
『塔の上のラプンツェル』
今年は純粋なミュージカル新作が無くて残念。この映画の酒場のシーンはそんな飢餓感を満足させてくれる名シーンだったけど、全体としてみると歌が少ないよね。というか唄うのがほとんど主人公とお母さんだけっていうのもなぁ。
『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』
と思ったら、思いがけないところでアラン・メンケン作曲、デイヴィッド・ジッペル作詞のレビュー場面に出くわして大興奮。現代パートさえ無ければもう少し評価アップするのにって思うとフランチャイズも善し悪し。『マイティ・ソー』なんて完全に『アベンジャーズ』の前振りだったし。
『イリュージョニスト』
うわぁ、2011年になってジャック・タチの新作が観られたよ。シルヴァン・ショメは丁寧にタチのパントマイム芝居をトレース、アニメーションってこんな使い方があるんだなぁとビックリするとともに感激。
『ブラックスワン』
ビデオを手に入れてすぐに、あのナイトクラブのダンスシーンをコマ送りで1枚ずつ確認しちゃいました。みなさんもどうぞ。
『ドライブ・アングリー3D』
ミートローフのアルバム『地獄のロック・ライダー3』収録の「Alive」という曲(のカバー)が、この映画のエンディングで高らかに鳴り響くのだけど、あのアルバムシリーズの持っていた世界観、アートワークの意匠がまさにピッタリはまる映画。
『モールス』
去年、『ぼくのエリ』を入れたけど、80年代のアメリカに舞台を移したリメイクは、その他の改変も含めてジュブナイル感倍増。それでも原作への敬意を感じるし、なにより新生ハマーフィルムの吸血鬼モノだし。
以上が新作10選。
期待外れだったのは『エンジェル・ウォーズ』で、娼館を舞台に歌と踊りに期待していたのだから肩すかされてもしょうがない。で、観ながら考えていたのがコレってザック・スナイダー版『スイート・チャリティ』なんじゃない?ってこと。帰宅して早速見直してみましたよ『スイート・チャリティ』。
そして、改めてボブ・フォッシーの凄さに気づいてしまったという次第。
あと「午前十時の映画祭」。『2001年宇宙の旅』が上映できなくなったおかげで、『ストリート・オブ・ファイヤー』がエントリー。ほんとは毎日のように通いたかったけど、さすがにそれは叶わず。他にも『サンセット大通り』『素晴らしき哉、人生』『ザッツ・エンタテインメント!』などなど。お世話になりました。
まさかの再鑑賞が叶ったのは円谷プロ制作の火曜サスペンス劇場『乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件』。映画版には無い迷路庭園のビジュアルインパクトが強烈。
劇場公開の旧作では『赤い靴』のデジタル・リマスターが素晴らしい出来。こんなに綺麗な映画だったとは!
DVDスルーは正直はずれが多かったけれど、例外は映画秘宝で添野知生さんが紹介していた『アメージング・ハイウェイ60』、前々から気になっていたのでようやく鑑賞。低予算だけど法螺話らしい怪しさ満点でよかった!おすすめ。
最後に短篇をひとつご紹介。
『ヘルドライバー 』の特典映像として入ってますので是非ご覧ください。
そう言えば、去年のエントリーで取り上げた故ケン・ラッセルの『ボーイフレンド』はWarner Archiveでめでたく円盤化されました。TSUTAYAがWarner Archiveのローカライズを始めたので日本語字幕付きも注文できるよ。こうゆうサービスは利用者がいないとすぐ見切られちゃうのでみんなガンガン注文しましょう。ぼくはとりあえずラッセル・マルケイ監督『レイザーバック』をオーダーしました。
さて本題。今年は昨秋に続き企画された石井隆監督特集第2弾で監督作品をほぼ網羅。一方、新作邦画は、特に後半、あんまり観なかったのでベストには入ってません。って去年も無かったか。いえね、今年は友人の関わった映画が3本もあって(『冷たい熱帯魚』『劇場版 名探偵コナン 沈黙の15分』『アベックパンチ』)、贔屓目なしに好き嫌いがつけ辛いというのもあります。
洋画も『シカゴ』から10年続いたブロードウェイ・ミュージカルの映画化が昨年の『NINE/ナイン』で一段落(奇しくもともにロブ・マーシャル作品)し、新作ミュージカルに出会えなかったのは残念。
『フットルース』のリメイク作『フットルース 夢に向かって』はどうやらミュージカルじゃなさそうですし(日本ではDVDスルーだし)、アメリカでは暮れに『The Muppets』が公開されましたけれども、これまでのシリーズの経緯から日本公開は望み薄だし、来年、『Rock Of Ages』と『Les Miserables』がくるまで暫しお休みといったところ。
というわけで、多分に偏りもありますが、2011年印象に残った作品たち。
『くまのプーさん』
文句なしのベスト。たまたま観た友人の勧めで観にいったら、これがもう素晴らしくて素晴らしくて。オープニング&エンディングの実写パートもいいし、歌もいい。そして子供向けだからと手を抜かない作品世界の構築に驚嘆する1時間。短いところもいいよね。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』
『キックアス』に続きジェーン・ゴールドマン&マシュー・ヴォーンのいい仕事。歴史改変ものというのがまたコミックらしくてよい。主題歌は『スターダスト』に続いてまたもやTake That。
『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』
凡百のハリウッド製『三銃士』にはないブルボン王朝への敬意がある、ひさびさのまともな『三銃士』。ぽっちゃりとした従者プランシェの活躍、飛行船のスペクタクルなど、ポール・W・S・アンダーソンはおそらく、リチャード・レスター版を底本にしているはず。
『ミスター・ノーバディ』
パラレルワールドというSF的なアイディアを映像化した力作。同趣向では『ミッション:8ミニッツ』もよかったけれど、風呂敷の広げ方も、幕の引き方も本作には及ばない。
『塔の上のラプンツェル』
今年は純粋なミュージカル新作が無くて残念。この映画の酒場のシーンはそんな飢餓感を満足させてくれる名シーンだったけど、全体としてみると歌が少ないよね。というか唄うのがほとんど主人公とお母さんだけっていうのもなぁ。
『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』
と思ったら、思いがけないところでアラン・メンケン作曲、デイヴィッド・ジッペル作詞のレビュー場面に出くわして大興奮。現代パートさえ無ければもう少し評価アップするのにって思うとフランチャイズも善し悪し。『マイティ・ソー』なんて完全に『アベンジャーズ』の前振りだったし。
『イリュージョニスト』
うわぁ、2011年になってジャック・タチの新作が観られたよ。シルヴァン・ショメは丁寧にタチのパントマイム芝居をトレース、アニメーションってこんな使い方があるんだなぁとビックリするとともに感激。
『ブラックスワン』
ビデオを手に入れてすぐに、あのナイトクラブのダンスシーンをコマ送りで1枚ずつ確認しちゃいました。みなさんもどうぞ。
『ドライブ・アングリー3D』
ミートローフのアルバム『地獄のロック・ライダー3』収録の「Alive」という曲(のカバー)が、この映画のエンディングで高らかに鳴り響くのだけど、あのアルバムシリーズの持っていた世界観、アートワークの意匠がまさにピッタリはまる映画。
『モールス』
去年、『ぼくのエリ』を入れたけど、80年代のアメリカに舞台を移したリメイクは、その他の改変も含めてジュブナイル感倍増。それでも原作への敬意を感じるし、なにより新生ハマーフィルムの吸血鬼モノだし。
以上が新作10選。
期待外れだったのは『エンジェル・ウォーズ』で、娼館を舞台に歌と踊りに期待していたのだから肩すかされてもしょうがない。で、観ながら考えていたのがコレってザック・スナイダー版『スイート・チャリティ』なんじゃない?ってこと。帰宅して早速見直してみましたよ『スイート・チャリティ』。
そして、改めてボブ・フォッシーの凄さに気づいてしまったという次第。
あと「午前十時の映画祭」。『2001年宇宙の旅』が上映できなくなったおかげで、『ストリート・オブ・ファイヤー』がエントリー。ほんとは毎日のように通いたかったけど、さすがにそれは叶わず。他にも『サンセット大通り』『素晴らしき哉、人生』『ザッツ・エンタテインメント!』などなど。お世話になりました。
まさかの再鑑賞が叶ったのは円谷プロ制作の火曜サスペンス劇場『乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件』。映画版には無い迷路庭園のビジュアルインパクトが強烈。
劇場公開の旧作では『赤い靴』のデジタル・リマスターが素晴らしい出来。こんなに綺麗な映画だったとは!
DVDスルーは正直はずれが多かったけれど、例外は映画秘宝で添野知生さんが紹介していた『アメージング・ハイウェイ60』、前々から気になっていたのでようやく鑑賞。低予算だけど法螺話らしい怪しさ満点でよかった!おすすめ。
最後に短篇をひとつご紹介。
"Bailout!" trailer from yoshiki takahashi on Vimeo.
『ヘルドライバー 』の特典映像として入ってますので是非ご覧ください。
by scarpiaii
| 2011-12-31 20:00
| 映画館